Cコース 職域・地域架橋型コーディネーター
Cコース合同 4月活動報告
- 日時
- 2025年4月20日(日)
- 方法
- 東京大学本郷キャンパスにて対面開催
概要
職域・地域架橋型コーディネーター養成コースC合同 4月講義が開催されました。
4月20日午前TICPOCオリエンテーション
笠井清登 熊倉陽介 TICPOC スタッフ
4月20日午後障害の社会モデルと解釈的不正義
東京大学先端科学技術研究センター 熊谷晋一郎 教授
発達障害者の当事者研究~コミュニケーションの手前にある身体的特徴に着目する~
東京大学先端科学技術研究センター 綾屋紗月 教授
根っこから変えるんじゃない。今のままやれることをやる。
ダルク女性ハウス 上岡陽江 代表
受講生の感想
(TICPOCオリエンテーション)
プログラム全般に渡る安全性を最初にご説明いただき、より積極的にプログラムへ参加したいという気持ちになることができました。
笠井先生・熊倉先生からTICPOCの成り立ちをうかがい、何もないところから立ち上げられた経緯を知りました。成り立ちそのものが権力の不均衡性をできるだけ排除する試みであったことや、当事者研究のような対話を経て形つくられたことを知り、これまで関わってきた心理臨床の現場に流れる空気とは良い意味で全く違うものを感じました。プログラムからこの先の仕事に携わるにあたってのヒントを多く得られることを期待しています。
午前の講義で印象に残っているのは、TICPOCという概念は現在進行形であるというお話です。そこから考えたのは、TICPOCは自身の実践を振り返りまとめ直す/今後の自身の指針を考える際の思考の軸になるのでは、ということです。私自身は行政の中にあるためか、なかなか当事者との協働、組織の変革ということに難しさを感じています。一方で、難しさを感じているということは、そこに課題意識があるからこそです。常に課題意識を持ちながら、そしてそれがすぐには改善しないままに業務をすることは苦しいことではありますが、その苦しさを抱えるうえでも、この学びの場が大切であるとあらためて感じました。
専門用語を控えることや守秘義務についてなど、ルールを明確に示してくださったことで、「怖さ」が解消された。言葉で伝えることは、こんなに安心感を与えるものなのかと当事者として思った。何でも当たり前にせず、言語化することを大切にしていきたい。「介入のターゲットは支援者側なのではないか。」という言葉にハッとした。自分のもっている価値を意識できないまま支援することは、何と恐ろしいことなのだろうと思った。「TICPOCとは?」と、誰も分からない所からスタートしたという話も興味深かった。とりあえずやってみるという考え方を日々の生活で取り入れると、もっとラクに挑戦していけるのだろうと思った。
(熊谷先生・綾屋先生・上岡先生の講義)
支援者として白旗を上げるというお話、質疑から出てきた合理的配慮に関するお話など、当事者でないから理解が難しいという点の言語化を助けていただいたような時間でした。これが全てではないし、私たち支援者がまだ自覚していない価値や概念があるのだろうと思いました。支援者としての無力さも自覚しながら当事者と何を創造できるのか、今後少しずつ学びや理解を深めていきたいです。
上岡先生のエネルギーの高さに圧倒させられました。当事者と支援者の埋まらない溝のようなものを感じながら日々臨床にいます。当事者ときちんと向き合って話し合えているのか、本当に支援してほしいことに気がつけているのか、それを引き出せているのかと自問自答しています。マイノリティに対する考え、意識をできているのか?日本人は右にならえの習慣が強いため、逸れる者を排除しようとする話しだと思います。自分もそれに流されてしまうことは多々あるので、自分を見つめ直すところから始めていきたいと感じました。